studio-aulaの日記

長野県松本市、塩尻市、安曇野市などで活動する一級建築士事務所です。

サクラダファミリア

スペインスバルセロナで130年建築中という、とても日本でも有名なサグラダ・ファミリア(聖家族贖罪教会)の内部が完成し正式な祈りの場として昨年の11月に、お披露目されたそうです。

バルセロナは遠い。
20年ほど前スペインに行った際に地下鉄に乗って見学に行きました。
駅から階段を上ると目の前に広がる異質な形態に目を見張りましたがバルセロナという土地柄ミロやピカソに惹かれていた自分は素早く見学するのみで後悔しています。今にすれば、これほどバルセロナが遠く感じるようになるとは当時は思いもしませんでした。

下の写真は長崎で訪れた今井兼次設計日本二十六聖人記念聖堂(聖フィリッポ教会)です。設計者の今井兼次もガウディの建築が数多く存在するバルセロナル・コルビュジェロンシャン礼拝堂などヨーロッパ各地を訪問しインスパイヤされ計画を練っていたようです。

この記念聖堂の展示空間は非常にリアルにかつドラマチックにキリスト教の歴史が展開されていると感心したのですが昨年大掛かりな改装工事が行われたと聞いてなるほどと思いました。それほど理路整然というところが現代的だったのです。

個人的には日本でのキリスト教徒弾圧の歴史を振り返る機会になったのですがその重さと設計者の思い入れの強さが空間に軋轢となって現れ押し潰れそうになり写真を暫く見る気持ちになれなかったほど、自らもキリスト教徒だった設計者の執念が伝わる建築でした。
竣工 1962年