studio-aulaの日記

長野県松本市、塩尻市、安曇野市などで活動する一級建築士事務所です。

光跡


1995年に発刊された池原義郎さんの書かれた「光跡」モダニズムを開花させた建築家たち
古本屋さんによって本のカバーにグラシン紙(パラフィン紙)がなされています。そして本をめくると池原さんの署名入りのしおりが入ってました。
ふっと前に持っていた人について想像をめぐらせる瞬間です。

本の内容は建築家の池原さんの感じたままに空間表現と詩的なストーリーを建築家たちとの関わりも含め書かれていて心にしみ入り、最近では少なくなった、文章から空間そのものを感じる事が出来るという素晴らしい本です。

ヴォーリスからご自身の師である今井謙次、村野藤吾など18名の建築家の作品について時代背景、人となりも含めて書かれているのですが、時代で言えば1940年〜1970年頃まで建築は自由を求めそれぞれの感性と形態への執着と使命感、そして西洋を独自の視点で読み解いた師とそれを超えようとする意思で建築に挑んでいた姿とその作品を充分に感じることが出来ました。
遺されている建築をなるべくこの足と感覚で読み解いてみたいと思わずにはいられませんでした。
独り言ですがこんな本は電子書籍になって欲しくないなぁ〜