studio-aulaの日記

長野県松本市、塩尻市、安曇野市などで活動する一級建築士事務所です。

打ち合わせの後午後から佐久市の「縁を繋ぐ家」の壁塗りへ。

今回はハードな壁塗りというより「思い出づくり」という感じの壁塗りで左官屋さんが下塗りから養生まで段取りをすませてくれたので午前2時間と午後2時間で2部屋が終了しました。何より乳飲み子ちゃんにお父さんとお母さんの勇士を見せることが出来て良かったです。


懐かしいと感じた居間の空間です。私の育った家は壁は白く茶の間は畳そして向かい合うように流しがついていて改装する前はかまどがありました。そして階段は廊下から登り北側には大きな窓があったので丁度こんな雰囲気の(いろいろが全然違いますが)家だったと思い出していました。
解体した以前の建物も懐かしい雰囲気で一杯でしたが新しい住まいにもそれを生かすことが出来たと思っています。親戚の若い石やさんも古いイメージのする家と言ってくれたので思わず「そうなんだよ!そういう家なんです」と大きな声で応えてしまいました。

そう感じる一因にこの建具の低さがあります。以前の家で使用していた建具は昔で言うところの5尺7寸(175センチくらい)ご主人の頭があたるかあたらないかの高さです。現代の家の建具は目一杯に高くする傾向があり、敷居を通過する時首部を垂れる機会が殆どなくなりました。この低さのお陰か廊下には安心感のある陰が生まれていました。


いろいろな陰をずっと眺めていたら懐かしさで胸がいっぱいになりました。


外部はTOWAの荒壁が終わりベランダと外の格子を大工工事中でした。この格子の透け感は狭すぎず広すぎず視界を全て遮るわけではなく境界の考えなどもあり様々に検討し34ミリの木材と60ミリピッチの隙間で構成していますが外部から中の灯りや天井の構造材が介間見え、近所の人にも空間に優しさを感じて貰えるような雰囲気になっています。

順調に現場が進んでいますので11月14日15日の完成見学会が楽しみです。施工は新津組さんです。