studio-aulaの日記

長野県松本市、塩尻市、安曇野市などで活動する一級建築士事務所です。

SA-Steps庭二

そもそも建築設計をする者にとって外構とは設備の一部に近いとらえ方をしがちだなぁと反省することになった。
以前、ロジオ氏と二人で樹木の問屋さんに行ってシンボルツリーを選んだが↓
http://d.hatena.ne.jp/studio-aula/20070821
そこには何よりストーリーが欠けていたのだ。

選ぶ基準はやはり西側は陽があたるから常緑樹。南は落葉樹という極めてよくある方針で平凡な樹木達を選んでいたのだ。

でも伊藤先生はちゃんとストーリーを考えてきてくれた。
1.せっかく山から樹木を採ってきたからそれに添った樹木を選ぶこと
2.いつの時を設定して樹木を植えるのか
3.全体の流れについて

を絵でなくちょっとしたメモをさらっと差し出してくれる。
そのメモには地形や周辺状況などもさりげなく書かれている(さすが名誉教授)→仕事が速いよ!

それで庭の広さと坪数に添った適切な樹木の本数を20〜30年後を想定し導き出してくれた。
それによると・・・・
西側には山のものを植え雑木林風の庭でちょっと樹木でうっそうとする感じに。で南には谷のものを南方向にいくに従って次第に明るく開けていく感じにする。

何より私たちが選定したソヨゴは株は立派だが木肌は黒く固い感じ・・常緑樹で窓から季節感も味わえないしというので再び樹木の問屋さんに一緒に見に行くことにした。
すると・・・・・
谷さん(何しろ綺麗な樹形を作る研究者なわけでして)がそこで「山モミジがいいよ!」と選んでくれた。

それから数多くの樹木の中から病気はないかとか樹皮もキレイかとか広がりは?と細かい将来性も考えながら繊細で季節毎に表情を変える山モミジ。。の一本を選定してくれた。

なるほどっ。
この樹木だったらあの場所に植えた姿を思い浮かべるととてもステキだ!

南のヤマボウシは更にけしからん!(谷のイメージじゃないし)と二人が言うのでエゴの木を選ぶことになった。

☆エゴの木は白い花が素朴でカワイイ。落葉高木で山野に自生している花木で剪定もいらない良い子のようだ。昨日は時間切れでエゴの木は選べなかったけどまた来週にでも行ってくるつもり・・(エゴの木も大好き)

SA-stepsはこれで庭にも物語ができた。山からやってきた小さな樹木達を生かす庭にするストーリーに感動した。
先生と谷さんは飲み代さえ出せば→ホントは二人は森や庭や樹木のこと考えるのが大好きなのでお金なんかは関係なくいろいろと考えてくれる。

京都で修行し、表千家を人生の糧とする庭師の友達が一緒に施工してくれます。彼は最近「うさぎ堂」という庭やさんを一人ではじめました。とても良心的でステキな人。更にお得!