studio-aulaの日記

長野県松本市、塩尻市、安曇野市などで活動する一級建築士事務所です。

転院

父の病状が落ち着いたので実家近くの桔梗ヶ原病院に転院した。昨日、相沢病院からの出発は2時だと聞いていたので1時頃病室に行くと既に病室はもぬけの殻で、わたしは放心状態。
病室を上から下までくまなく探し・・「今、出ましたよ」っていう看護婦さんの言葉。母が一人でたくさんの荷物を運んでいる姿が目に浮かんだ・・私も直ぐに直行する。

桔梗ヶ原病院に着くと救急車両がちょうど着いたばかり・・
ストレッチャーの父に「おーい」っていうと「良く探せたなあ。迷ったか?」ってしっかりした口調で言った。痩せているが目も語り口も元気な時のままで一瞬、元気な父が戻ってきたのかと思った。

暫くするとまた、病気の父に戻ってしまった。
私はどうして父が正気に戻っていたのかをずっと考えていた。朝、解ったこと、それは、それは簡単なことで・・・そうだった。いつも「私を心配していた」時と同じ口調で、同じ目で・・・私を見ていた。

足の感覚がなくなって動けなくなり葛藤していた頃、すごく短気になった父がいつしか惚けて穏やかになった。それはきっと父が選んだことだろうとこの頃思うのだ。穏やかで何とも戦うこともなく、にこにこ笑っている姿に私は救われる。
親は偉大だ。