studio-aulaの日記

長野県松本市、塩尻市、安曇野市などで活動する一級建築士事務所です。

ディサービスに行ってみる

相沢病院内にあるディサービスに時々行く。そこで昨日は3時間ほどつきあってみた。実はボランティアのおじさんに今時お父さんのところにつきあう娘が要るってのに感動した!と言われて帰るに帰れなくなっちゃったのだ。(汗)

さてここではお昼ご飯を食べ終わる(食べ終わるまでが大変なのだが)と一人一人が介護の方に連れられてお口の洗浄に行く。出来るだけ自分一人で入れ歯のお手入れも出来ればいいんだけど殆ど出来る人はいないので全部お任せだ。総人数が20人くらい(採算を考えると20人/一人辺りの担当)だがここは介護してくれる人があと2人は常時いるので結構他のところよりはゆとりがある。やはり芸能人でなくても歯は命だ!総入れ歯になると味覚障害や嚥下障害を早めることになる。

その後、ゆっくりと時間が流れ、大きなかるたをみんなでやる時間になった。しかしみんなをひとつの机に集合させるための移動がまた大変だ。車いすに乗った人はまだいいが、訓練のために車いすから普通の椅子に乗り移るようになっている人。それから装置などをつけたままの人・・いろいろいるからだ。ここにいるのは移動も準備も自分では何一つ出来ない集団なのだ。

さてこうしてカルタをはじめる。少しでもみんなに注意をむかせようと担当のお姉さんは大きな声で呼びかけるが誰も答えない・・ぴくりともしない・・それが日常風景だ。
いつもそこで2〜3人は机を枕にして寝ている・・平和な顔をしている・・広間寝てばかり要る人はあの世が近いと書いている医者がいる・・・不謹慎だがそうかも・とも思う。明日から早起きをしようとつぶやく。

そして父も含めて殆どがどちらか解らない場所を見て呆然としている・・・何を見て要るのか?正直、生気のないこの集団はいったいなんだろうと思うときがある。おそらく生気があればここにはいない・・・のだ。

カルタを読み上げるとそれでも2〜3人元気なお年寄りが出現し時間は掛かるけどこのゲームは進んでいく。いかんせん目も耳も悪くなりおまけに記憶も出来にくいので一枚ずつに時間が掛かっている。私は父の横で少しずるをして耳打ちをしてあげた。確か一枚は「きの棒を杖にする」ようなフレーズだった。「ほら、きょーこのきだよ。」私のずるもあり父は3枚とれたので少し嬉しそうに見えた。多分ディサービスでカルタがとれたのは初めてだったんだと思う。

途中でビデオ上映会の時間になった。ボランティアの79才の男性が山で撮影してきたビデオ(鳥や樹木やしかなど)を解説を交えながら見せてくれる。しかしみんな疲れやすいので直ぐに寝てしまう。しかしこんな状況のなかでもへこたれないでボランティアをしてくれる人がいる・・父よりはるか年上なのに。ありがたい

最近父は私のこと、時々わからない。
こころの中はのぞけないので不思議な気持ちだ。でもそんなに悲しくもない。極めておとなしく、声を発することはほとんどない。どうもいろいろと見てみるとぼけると人格が逆になるようだ。(本当は本質が出てくる)

ただ、ほんの半年前まで全く知らなかった場所でこうしているなんて本当に不思議だ。

人間とはなにか?いろいろなお年寄りに接し少しだけ・・こたえに近づいた。父に教えてもらうことはまだまだある。