studio-aulaの日記

長野県松本市、塩尻市、安曇野市などで活動する一級建築士事務所です。

茶箪笥もどる

修理から戻ったちゃだんすは引出しもスムーズで引き違いのガラス戸も滑りが良くなり見違えるほど使いやすくなった。
このちゃだんすはクルミの木で作られている。
修理してくれた友人の話によればこの当時は既にフラッシュで作られた部分もあるんだけど作った職人さんの癖が読み取れて修理していて楽しかったのだそうだ。

例えば小さな開きの建具が閉まらないのでなんとか建具をはずして調整をしようと無理に建具をはずそうとした時に、ちょっとした細工を発見!昔の人の知恵で見えないところにちゃんとメンテナンスを考えてはずせるような工夫があったことだとか・・・
小さい頃から下の引出がほんの少しだけいつも飛び出していた理由も解ったり。それは背板がほんの少し長過ぎた為で今度の修理で削ってもらったお陰でぴったりはまったこととか。
あとは引出の底板に母の旧姓と住所が書かれていてそれが残っていたこととか・・
私にとってもひとつの家具にはいろいろな人の手や思いがこもっているんだということが一番の発見であったんだけど。

写真はここです。http://d.hatena.ne.jp/studio-aula/20061102

おばあちゃんもこれと同じものを持っていた記憶があって子供の目からは姿は同じに見えていたけど大正時代のモノはフラッシュがまだなかったみたいなので全て無垢で作られていたようです(他の人が所有しているモノはそうらしく)何気なく見ていた家具だけど修理してもらったお陰で新しい気持ちで大切に使うことが出来ると思う。

ずっと納戸に眠っていたこのちゃだんすを母にまた良く見せてあげたくなった。