studio-aulaの日記

長野県松本市、塩尻市、安曇野市などで活動する一級建築士事務所です。

農学部の学生と話して思ったこと

studio-aula2006-09-13

都市計画の中で会話をしていくと地方都市の郡部についてはなかなか厳しく暗い将来しか出てこない・・それに疑問を感じながらも近くの里山の様子(人が入れないほど荒れている)や田畑の成り行きを見るにつけ10年後の姿を考えている。
しかし農学部の院生の中には農村計画(集落)について研究したいと思っている学生がいたり、埼玉生まれながらも集落に住むことについて興味を示している学生もいたので少し安心した。
ごく少数派なのだと思うけど・・・でもよく話してみると観光資源として集落を考えている部分もあってどうなんだろうと考えたり・・

越後妻有で見たアートの中にはそこに住み込みをしながら作品を地元の人たちと作り上げたモノも沢山あった。
特に8人の陶芸家が集う「うぶすなの家」では陶芸作品で空き家を蘇らせると同時に地域に産業を興す挑戦も行われている。

中でも奥多摩から十日町に移住し妻有の土や石や樹木の灰を使った妻有焼を興そうと吉田明さんが奮闘している。妻有は冬を除く季節は棚田の緑と里山のグラデージョンと澄んだ空が美しいが住む場所とすればあまりに条件が厳しく過疎化している。

学生と話ながら研究対象としてだけで農村集落を捉えないで一度は集落暮らしも体験しその中から自分なりの結論を導き出して欲しいと感じた。
わたしも研究していく時はそうしたいという戒め・・も込めて。

一方伊藤先生は都市のとらえ方が的確で話していて嬉しくなった。しかも好奇心旺盛で、私と会話したちょっと変な計画の中で面白いと思ったことも計画書なんか書いているみたい・・なんて柔らかいんだろうと尊敬してしまった。わたしもそんな人になりたい。