studio-aulaの日記

長野県松本市、塩尻市、安曇野市などで活動する一級建築士事務所です。

古い家に住むということ

約築50年の木造の家に引っ越したのは秋。それから冬を越え春が来てこれから夏を迎える季節になった。
そこで間取りもたたづまいもそれなりに好きだけど良いことと悪いことをちょっとまとめてみる。

良いことって。
仕事部屋の洋室にぐるっと縁側がついているのでそれが何かと便利で2階から起きてきて寝起きの時もいろいろと窓の外を見ながら歩けるのでこんなゆとりもいいかなとささやかな喜びにひたれる。
お風呂が遠いことも行くまでの廊下から外が見えるので季節について考える。
悪いこと
雨が降ると地盤面が低いためと基礎の通風が悪いことが重なり湿気が床からあがりカビくさくなる。
お風呂がタイルはいいんだけどバスタブが固定されていないため隙間がたくさんあって直ぐにかびだらけになってしまう。想像を絶する汚れが溜まる。
台所が個室になっているのでお客さまが来たときに対応しながらお茶が入れられない。
それにものすごーい寒さ。外と変わらない気がする。
どうしても建具と枠に隙間があるためにはえとか蚊が室内に入りやすい。
雪が積もり屋根から落ちたとき地震のように家が揺れた・・ここには活断層があることが頭をよぎった。
かならずしも揺れることが崩壊につながるということでもないが・・地震の際の対策を考える。逃げ道とか・・

今後地方ではより深刻に空き家の問題が出てくるがこれをリフォームしていくか建て替えるか誰もが悩むところだと思う。しかし地盤面の問題まであると改善するよりも建て替えてしまった方が簡単ででもそれをどこで折り合いをつけて解決していくかが重要になってくる。

廃墟ブームでマニアな若者が廃墟にたむろし社会問題化しつつあるけど実際古いものを良いものとする風潮も生まれてきていてそれはいいんだけどその利点・欠点を見なくては本当の事はわからないと感じるのだ。

京都の若い学生もそうだったけど自分はマンションに住み廃墟に憧れる・・その現象はもはや古い家の不便さの意味が遠い存在なのだとどうしても思ってしまう私はもはや・・お説教好きなおばちゃまとしか思われないのが残念だが一度廃墟に住んでみることを彼らに進めてみたい。;;(ゼッタイ無理!!)
やはり知識や感覚でしか芸術を語れない若者がそんな風に憧れる。