studio-aulaの日記

長野県松本市、塩尻市、安曇野市などで活動する一級建築士事務所です。

自分だけのアオ

studio-aula2006-02-12

京都から帰り何故か少し憂鬱な気持ちだ。それは何故かと自問自答しながら少し落ち込んだときの気持ちは大切なのだとひたすら言い聞かせ無理矢理元気になろうとしてみる。

こんな時は自分が一番平凡な人間なのだと感じる。
こんな時は自分が一番ちっぽけな人間なのだと感じる。
こんな時は自分には未来がヒトカケラモ無いように感じてしまう。

いろんな癖を持つ人に出逢い、その人生の一こまひとこまのドラマを聞く。
いろんな本を読み様々なことに共感を感じる。
さまざまな主義、主張に出逢い、素晴らしい絵やアイデアを目の前にする。

衝撃と感動で直ぐにお腹一杯になる。
ひたすら、自分に出来ることはいったい何かと?問い直す。
知っている。
知っている。
この問いかけが整理できたときにはまた一歩踏み出そうと決めている時なのだ。

自分なりの青をやっとの事で探し出した絵描きの話を聞いた。
定年退職し好きな絵を学んでいる。横に置いてある絵の具箱は30年前のものだ。
漸く見つけた薄皮一枚ほどの違いで変わるその色は
もう2度と彼のもとから離れていかない事を彼は知っていた。
彼が若い頃、同じ下宿だった芸術家達は
死に憧れ、それをも弄び、再び生命を与えられることに掛け、旅だったのだ。
笑いながら話をする老人とも言える男の横顔にドウショウモナイ憧れと嫉妬を感じた。

いつかいつかたどり着く自分だけの青に。