studio-aulaの日記

長野県松本市、塩尻市、安曇野市などで活動する一級建築士事務所です。

調和か挑戦か?

重森三玲の北斗七星の庭ー展に行った際、ワタリウム美術館のCAFEにて主催者側の人々の会話を耳に挟んだ。最近は「グリーン」がもてはやされているけど自然を乗り越えるくらいの気概がたりないわね!!とのこと。

建築側からすれば行為は既に環境破壊。なので調和とか共生とか体裁の良い言葉を使い、いささか引き気味にグリーンと向き合うことになりますが、ランドスケープ的視点からみれば相手は長期スパン、結論は短期には出るはずもない事を相手にしなくちゃならない。って事だ。

そして緑を作る側からすれば「添え物感のある雰囲気が許せない」そんな気持ちも解る、というものだ。

建築を考える時、敷地の持つ諸条件に向き合い、その環境が難しい場所であればあるほど「乗り越える」「乗り越えてみせる」気概を持つ自分達がいる。
人の住む場所は整えられた場所である必要は必ずしもないのだが、人が楽しく暮らす環境へ導くことは建築だから出来る事です。
土地の持つマイナスの環境条件を乗り越えるような場所への挑戦(あくまでもルールに沿ったやり方で)を来年は強く目指したい。

下に書いた「塔の家」は「乗り越えてみせる!気概」を感じる住宅で建築家東孝光の初期の代表的住宅建築です。