studio-aulaの日記

長野県松本市、塩尻市、安曇野市などで活動する一級建築士事務所です。

夕べは建築士会の社会貢献委員会。3月14日に松本市と共催で景観シンポジウムを開催する予定なのでその準備の為なのです。内容は景観賞の表彰式と講演会などです。最近は市民の景観に対する意識の高まりもあり準備にも気合いが入ります。

今日は塩尻市の都市マスタープラン策定委員会がありました。
都市計画マスタープランと緑の基本計画の素案が大体できあがり後は訂正事項などの確認というところです。

塩尻市には景観条例もまちづくり条例もない為に都市計画区域外(農山村部)の景観を守る為の手段がありません。長野県の景観行政団体は長野市小布施町松本市上田市飯田市ですが他に長野県で定めた景観計画区域というのがあります。

浅間山麓や八ヶ岳山麓白馬村周辺、千曲川下流域、伊那市の西箕輪地区がそれに該当します。それから他にも景観行政団体を目指し景観条例やまちづくり協定を制定している市町村もあります(安曇野市諏訪市など)

主として大規模な建築物の計画に影響が出る条例ですが住宅を計画する際にも外観の色彩などを記入し建築物を施工する旨の届出が必要です。

宮島で保全された景観の美しさに感激しました。しかし厳島神社の本殿から大鳥居を介して見える直線上の山の斜面には新しい大きな宗教的な建築物が建設されていました。大鳥居は海に浮かび山を借景とすることでその美がより際だって見えます。しかし借景を守るということはとても難しい問題です。

長野県ではそれぞれの地方によって拠り所とする山は違っていますが農山村地域では特に人は様々な場所を選び自由に住んできました。しかし人の営みはやがて地域の景観となります。地域の暮らしと住む人の暮らしが現れてくるような住宅を計画したいと感ずる今日この頃です。