studio-aulaの日記

長野県松本市、塩尻市、安曇野市などで活動する一級建築士事務所です。

耐震診断

今日は木造住宅の簡易耐震診断を行うために3件のお宅に行ってきました。

この木造耐震診断士の仕事は依頼される決めごとの中に「営業活動はしない」と盛り込まれていることが安心して頂ける大切な点です。

松本市塩尻市では今、災害に強いまちづくりをめざし「無料の耐震診断」と「耐震工事に対する補助」を行っています。今回の中越沖地震では、残念な事に耐震診断を行ったのに高齢者世帯のため「耐震改修」が行われず崩壊した家屋も多いと書かれています。

昨年の中越地震の際に被害をうけた地域でも1万円で耐震診断が受けられ耐震補強の工事費の3分の1が補助されるそうなのですが残念ながら制度を利用して耐震補強を受けた世帯はわずかだった様子です。

松本市塩尻市では簡易耐震診断は無料。更に耐震工事に対する補助も60万円を限度に2分の1と制度を利用しやすくなっています。この制度は昭和56年5月31日以前に、改正前の建築基準で建てられた木造在来工法の一戸建てに適応されます。やはり補助があると言っても年配の方だけの世帯ですと「補強工事はせずに今まで暮らしてきたんだから大丈夫」と考えている方も多いようですがいざという時に命だけは守られるように必要な場合には補強工事は行っておくべきだと思います。

今回耐震診断を行ってみると地盤の安全性が極めて重要だと改めて感じました。例えばその土地が住宅が建てられる以前は田でかなり埋め立てられていたり、湧水の流れ道が地盤の下に存在するなどの場合、降水量が増すと土地そのものが水の流れ道となりその敷地の土も流れだしています。そして水の流れる方向に沈下が起こり建物や基礎に亀裂も生じます。

耐震診断は周辺環境や建物の安全性と地盤の安全性の両方から診断することが大切なのですが地盤面での問題が大きい場合にはより危険度が増してしまいます。なるべく多くの世帯でこの制度を利用し少しでも多くの方に安心な生活をおくって欲しいと強く感じました。


200710月 耐震診断
私は今月になって松本市内で数件、木造耐震診断士の仕事を松本市建築指導課などを経由で依頼され今日初めて行ってきました。

耐震診断を依頼するお宅はやはりお年よりが暮らしている古い家が多いので沢山のお話を伺いながら家の簡単な間取りを実測し開口部や壁の位置や基礎の状況などを調査してきました。

ロジオ氏は先月から社会貢献をしようと耐震診断に一般のお宅に伺っていたので一緒に出かけました。

昨日の新潟県柏崎市を中心とした中越沖地震では築年数が古い木造家屋に住んでいる高齢の方(私の親の世代)が犠牲になりました。災害で突然身内を亡くされた遺族の悲しみを思うと胸が痛みます。

(海のない長野県で暮らす人間にとって柏崎は海水浴に出かける地域ということもあり、とても馴染みのある場所でもあります)

こうして耐震診断を行いながら、高齢の方とお話ししていざというときの
注意を促すことはとても大切な仕事です。