studio-aulaの日記

長野県松本市、塩尻市、安曇野市などで活動する一級建築士事務所です。

茶箪笥(ちゃだんす)

studio-aula2006-11-02

この写真は母の嫁入り道具の茶箪笥である。
私はこれを食器棚に使っているんだけど大きなお皿の収納が出来ないので友人に頼んでリニューアルしてもらうことにした。
いろいろと長い間お皿は出しっぱなしだったのだ。
というのもイタリアで生活していた時は使うお皿はいつも一つのプレートとボウルで、あとはマグカップとグラスさえあれば何も不満もなく・・過ごしていた。

少し余裕のある友人の家に行ってもみんな似たような生活状態でそれを水切り棚にのせっぱなしだったし、食器棚にいっぱい食器を並べていた生活が妙な気持ちさえした。

でも近代、日本では大きく生活も変わり料理も多様化しているし人間の道具としての家具は生活に必要とされ変遷しているので家具からいろいろなことを読みとることも出来ると思う。
この茶箪笥は明治・大正・昭和と活躍していたみたいだけど、小さな和室のようなつくりで地袋と違い棚がついているので、お茶の道具や小皿などをしまうのにお茶の間に置かれていた。
でも今の生活ではお茶の時間も多様化しているしケーキ皿さえ入らないような茶箪笥なので実用品としては使いようもないのだ。

家事の仕事では調理することや洗うことなどはそれほど大きな違いも無いので昔のものでも困らないと感じるのだが「シマウこと」・・すなわち収納計画が今の住宅には非常に大切なんだと最近妙に納得している。


それから数時間後・・修理する友人がやってきた。
改めて見るちゃだんす。
掃除して和室に置いた茶箪笥(ちゃだんす)は妙にしっくりおさまるトコロにおさまっているカンジだ。
やはりここはリニューアルは辞めて少し修理だけしてもらいこのままにしておくことにした。
というのもなんだか・・・違い棚を切り落とすことはいろんなものを切り捨ててしまうような気持ちがして、寂しくなってきたからだ。
う〜ん。わたしは結構古い部類の人間なのだと・・・わかった気がする。