studio-aulaの日記

長野県松本市、塩尻市、安曇野市などで活動する一級建築士事務所です。

家ってなんだろう?


先日上田のお施主さんと望月町のYUSHICAFEで打ち合わせをしていたときに若い施主さんから出てきた言葉でした。
この建物は昭和初期の建物で建築的に考えれば資産価値があるとか歴史的価値があるとか文化的な価値が・・など優劣で言えば何の変哲もないと言われてしまう建物だろうと思います。
でも朝9時の開店時から近隣のお年寄りや婦人会のみなさま若い人そして私たちのような通りすがりまで気軽に立ち寄れて店主のさりげないおもてなしに心を開ける場所です。

店主の感覚で改装された店内には店主の気に入った古い生活雑貨や使えないかと思えるようなラジオやテレビが置かれている。昭和に育った自分達からすれば一つ一つが家族との歴史を思い出させるものだけれど形も姿も愛せるかたち。
今思えば合理的だけではないかたちから使う人そして家庭への愛を感じ取れるのです。

建物の裏側とも言える一室で打ち合わせをさせてもらいましたが、FIXの大きな窓と思っていた開口部はビニールで・・ビニールを一枚隔てるとそこは寒い寒いといっているそと。
だけど薪ストーブやひざ掛けで寒さをそれほど感じることもなかったです。

今の時代、太陽光発電装置が「エコ」的商品として脚光を浴び、高断熱高気密で設備で快適な空間を造ることがもっとも「自然」な流れのように考えられていますが果たしてどうなのでしょう?
「家ってなんだろう?」
周りの情報はひとまず隔離して少し考えてみる時間が欲しいときはぜひこの場所をお奨めしたいと思います。