自然素材を使った自然な家が出来るまで(一部セルフビルドあり)
日本の木。無垢材のアサダで作られたキッチン。
伊那市の有賀建具さんに製作してもらいました。
私たちの事務所も同じ建具やさんに制作して貰った[神代ホウ]という木を使ったキッチンなのです。神代というのは土に埋もれていたので黒くなった木の総称の事だと使おうとしてから知りました。
無垢のトップには透明の塗料を塗ってあります。
最初はおそるおそる使ってました。何しろ水で濡れたり油がはねたりそして物を落とすだけでビクビクして即掃除という感じだったのです。無垢の木にさわるー日常的に触れる機会が少なくなり潜在意識の中で警戒していたのだと気が付きました。
しかし無垢の木はイガイに強く多少の水や油も綺麗に拭き取れば気にならなくなります。
先月同じ建具やさんに制作して貰い3年前に引き渡しをしたお宅に訪問しました。使った材種はカバサクラ・・・年月がたちピンクが赤みを増し使い込まれて味が出てきていました。
有賀建具さん良く建築雑誌などにも紹介されるのですが、パルプにされてしまうような、例えば大きな木だけどシミなどが着いているものなどを安く仕入れてきて自分の倉庫で数年間乾燥させて「良いところ」を上手に使ってくれます。
値段も手頃です。「良いところ」を上手に使ってくれるのはまるでお寿司屋さんのような感じですね。
倉庫の中に積み上げられた木は乾燥させる為にそのまま数年間放っておけば良いのではなく定期的に場所を変えるなどの手間をかけ乾燥の具合に気を使います。一本一本の木に手間と暇をかける、すなわち物を大切にする姿を見て感動する方も多いです。
こうして無垢で手間暇かけて作られたものは長い年月を経ても嫌な劣化もせずアジがでてくるところが良いですね。お掃除が行き届かない私たちにも寛容に接してくれる無垢のキッチンです。
軽快なスチールのベランダ
景観条例策定委員会に出席してきました。
長野県では景観を形成している要素として山が重要です。
スカイラインの大切さがいつも話しにでる様に山とソラの境目にある
マンションなどの高層建築物の看板や屋上の設備などは景観を阻害する要素に
なってしまいます。
建築物の高さ制限の他に屋外広告物設置基準やデザインマニュアルが3年ごと
に見直されますが、企業や業者もそれを通り抜ける方法を考え出すので正にい
たちごっこという感じです。
最近では建築物か広告かの線引きが難しいスーパーグラフィックやレーザービー
ムやラッピングバスなど派手な広告で小さな城下町の景観を阻害するものもあり
多様な対応が迫られています。
建築を設計する我々も景観について再度考える時期ではないか・・
派手なら目立つそして売れるという時代は終わり程度の良い広告物を作るように
業界を誘導していく道もまた必要だという意見に納得した1日でした。