studio-aulaの日記

長野県松本市、塩尻市、安曇野市などで活動する一級建築士事務所です。

加湿器

studio-aula2007-11-27

プロダクトデザイナー深沢直人氏デザインの±0の加湿器を稼働。デザインはシンプルで潔い=使い勝手は少し複雑
晴天時の昼間は室内の湿度が40%を降る時があるので加湿器を使用する。乾燥時に一番効果的なのはナベに水をはりコンロにかけると5分後には湿度が目に見えて変化する→昔のストーブにやかんは理に適ってました。

加湿器は即効性というよりも継続的に室内環境を整える役割を果たすものだ。

真上から見るとこんな感じ。
真ん中から湯気が出てくる。アロマ効果を狙いラベンダーの香りをつけました・・・


怪しげに光るスイッチはこれまた使いにくさ抜群の真下に向かってついている。
でも黒い箱の上にはこれしかないです。

・・・・・・親の家から・・・
 昨日から母が伊豆に旅行に出かけているので朝と夜に実家に猫の様子を見に行っている。
先日本屋さんで「親の家を整理しながら考えたこと(うる覚えです」っていう本を見つけ、かなり動揺してしまった。
 実家には母一人・・新しい家に住み始めた頃、ダイニングキッチンは吹き抜けて二階には空気抜きの窓をつけていた。約20年前・・一人で本を読んでいるとまだ若い父母の声が階下に聞こえ父のくしゃみやテレビを見て笑う声がいつもうるさいと感じた。

父をおくり、一人で家にいると当時の思いが鮮やかに蘇ってくる。そして、あのやかましさが本当に幸せだったのだとつくづく思う。
今、現実を考えるとこの家は母が居なくなると空き家になる可能性もある。近所で初めての空き家。ご近所にとっては恐らくほとほと迷惑な話だと思う。

昨年、松本のヘニガー邸という近代建築の売買問題に少し関わった時、正直言って持ち主の心境が良くわからなかった。でも親を亡くしてみて初めて直面する現実の問題。そして親と暮らした家を処分する悲しさを今となって良くわかる。いろいろな複雑な思い。暮らした家に対する愛着やめくるめく思い出。そして揺れる心とその反面に現れる強い頑なさや複雑な心の動きを今となっては理解出来る。

あの時、そして今でも「あの建物解体されて残念だったね〜」と時々言われるけど、これで本当に良かったと私は思う。元の持ち主のあの顔を見たらきっと誰でも気軽に「残してくださいよ」とは言えないはずだ。
そして、お母さんを亡くされた後、家の荷物を処分する場にでくわしたこと・・それが自分にとって真っ向から直面しなければならない状況になるとは昨年の私では思いもしなかった。

その場にある人のこころ。残る場所。場所があるために生まれる思い。繰り返し繰り返し・・やってくる切なさ。がある。

これからの空き家の問題。そして安易に景観のために田畑を耕せと言ってしまえる(安曇野シンポジウムの時)傍観者達を無責任だと感じる私は横暴なのだろうか?